中村三奈、傑作選  --01.02.05 





前回の日記には賛否両論いろいろメールをもらってしまった。

教育って100人いたら100人考え方が違ったりするから、こんなのについて書いたらきっと面倒くさい事態になるに違いない・・・ってわかっていたのに、わかっていたくせに、わかっていたはずなのに、ばかやろーーー!

そのうえ、あの日記、イイタイコトにたどり着く前に眠くなっちゃって、問題点を羅列しただけで寝てしまい、「あー、結論も書かず、推敲もせずに『ま、論文じゃなくて日記だし〜』ってアップすると結局あとで後悔するんだよなぁ・・・」ってわかっていたのに、わかっていたくせに、わかっていたはずなのに、くそやろーーー!

さらに、推敲が十分じゃなく稚拙なせいで、その問題点の羅列すらいろんな人に誤解され、「うー、そういうことが言いたいんじゃないんだけどなー」と思っても、もう後の祭り。

つうか、優子とワイン飲みながら3時間くらいかけて話したことをそのまま文章にするのはもとから無理じゃ。



ま、非常に簡単に言い訳すると、

・歯車は結果であって目的ではない、のはわかってますよん。
 教育の方向性を歯車で象徴しただけ。
・歯車な自分を嘆いているわけではないよん。
 個性重視!とかいう声高な主張への違和感をとりあえず表明しておこうとして
 文章が破綻しているだけ。あそこらへんで眠くなったんだもん。
・学校教育は国の都合、というのは極論だというのはわかってるよん。
 でも、いろんな要素を削っていくと、そうなるのではないか、
 ということ。型にはめようとしているのは間違いないし。
 いまは国の影響力が薄いけど、もしどっかの国に占領されたら
 いきなりその国に都合のいい教育が始まると思う。
 もちろんそれも極論。でもそういうこと。



他にもいろいろあるけど、まぁいいや。
賛成メールもそれなりにあったしね。

ま、みなさんが教育を考えるキッカケになればいいということで。むはは。



え?



結局イイタイコトはなんだったのかって?



つまりあの日記では、学校教育の性格を定義して、学校教育の限界を示して、近代学校教育の問題点をわかりやすく提出して、そのうえで、家庭教育に話を引っ張りこんで、そんでもってわが娘響子をどう育てるか、というところまで話を持っていこうとしていたのね。
んでもって、全体の40%書いたところで力尽きたのが前回。

そう、あれでまだ半分行ってないような分量のものを書こうとしてたわけ。


つうか、それって日記か?


という疑問が胸に激しく去来するのではあるが。

ま、「狭育のゆくえ(2)」を続けて書けばいいかと思っていたけど、教育論はよっぽど推敲して慎重に書かないと怖いということがよくわかったので、とりあえずアレはアレで終了。


「うーん、それではアンマリだ」という人のために、途中を抜きにしてイイタイコトだけ簡単に書くと、「要は親が人生を楽しそうに姿勢良く生き抜くことが、その姿をきちんと子供に見せることが、教育の要諦ではなかろうか」みたいなことを書こうと思ったんだな。


はは。前段がないとまるでわからん。


ええと、噛み砕くと、「響子が『はやく大人になりたい』と思うような、『はやく大人になって人生を楽しみたい』と思うような、そんな人生を親であるボクたちが日々送ること。そしてそういう人生をきちんと彼女に提示すること。それこそが、本来型にはめることを目的としている教育事情の中で、子供を育てていく最良の方法ではないか」みたいなこと。



むはは。もっとわからんか。


まぁいいや。あとは適当に想像してください。


つうか、ご自分でお考えください(と、逃げておく)。






さて。

話はスパッと変わって、中村三奈さんの話である。







これは、先月末、朝日新聞の朝刊に掲載された記事である。


見出しドアタマがいきなり「中村三奈」である。
大きなフォントである。
犯罪者並みである。
すげ〜〜!


朝日新聞で去年の9月まで連載していたボクのコラムのイラストを1年半に渡って書き続けてくれた彼女。

その原画展が大阪であるのだが、それが朝日新聞朝刊にこうも大きく載るとはなぁ・・・(喜田さん、ありがとう!)。









実は、中村三奈さんはほとんど「戦友」の仲なのである。


CMの仕事はプランナーのボクが案やコピーを考え、それをスポンサーにプレゼンテーションするところから始まるのだが、その際、絵コンテというものを作成しないといけない。
つまり、実際にどういう風にCMが構成されるのか、イラストとコピーとト書きで相手にちゃんとイメージを説明できるものを作らないといけないのである。

三奈さんは、そのころそれなりに売れていたイラストレーターだったのだが、ちょっとしたツテでボクたちのチームは彼女をそのコンテ・ライターとして使えることになったのであった。

イラストレーターはあまりコンテの仕事はしない。
コンテは専門のコンテライターが書いてくれることが多い。

三奈さんはイラストレーターだから、最初は「今回だけの特別」って感じでお願いをした。
でも「三奈さんは非常にうまい!」とわかってしまって、今回だけが毎回になり、しまいには当然のように「週明けまでに5案なんだけど〜」と厚かましいお願いまですることになってしまった。

だって、こちらとしてもうまい人に書いてもらうのは願ってもないことなのだ。
なにしろ「しょーもないアイデア」も、絵がうまいだけで「なんだか良さそうなアイデア」に変わることがあるのである。つうか、ほとんどがそうなのである。

絵と言っても、デッサンとかがうまければいいというものでもない。
絵の雰囲気が、空気感が、その企画を助け、育て、二倍も三倍も良い企画に見せる・・・
そんな絵は、実はなかなか難しいのである。

うぅ。
ボクたちが数々通してきたプレゼンテーションのうち、3割くらいは「コンテの絵が良かったから通った」と言えるかもしれないくらい、中村三奈さんはそこらへんの勘がよく、企画の骨をちゃんと掴んで絵にしてくれた。そしてまたその絵がとびきりウマイと来ている。
(三奈さんは覚えてないかもしれないけど、あのcharaをタレントに使ったコンテなんか、額に入れて飾っておきたいくらいな出来だった。空気感が見事だった・・・)



当時ボクのいたチームは、全国でも指折りに忙しいチームだった。
大きなスポンサーや派手なキャンペーンを扱えるチームなのに「あのチームだけは行きたくない」とまわりの若手から敬遠されるくらい、激忙しい部であった。

そのチームのコンテ制作を引き受けるのは、イコール「地獄」を意味する。
三奈さんの私生活は、そこで無くなったも同然だった。

それをわかりつつ、とっても悪いなぁと思いつつ、こちらも悲鳴に近い状態で「三奈さーん、あと3案カラーで追加お願いできない? お願い! いやどうしても作らないといけなくて・・・え、あ、あの、明日の朝まで! あ、いや、お願い。無理を承知でお願い! え、いま? そう夜の8時だけど、ほら、ボクも寝ないで待ってるから、おねがいいいぃぃぃぃ!」ってな調子でコンテを頼みつづけていた。

基本的に責任感が強い彼女は、ニコニコとそれをこなしてくれた。
ある日ついに「やっぱりイラストに専念したいので、もうコンテは描きません」と宣言するまで約5年くらい、黙々とこちらのオーダーに応えていてくれたのである。


ボクたちのチームは一時期、彼女とともに死屍累々、地獄のような戦場を駆け抜けた。

戦友、という言葉以外、表現のしようがない関係であったのだ。




そんなこんなで日々は過ぎ、時は1999年2月。 突然朝日新聞からメールが来て、ボクは週一回の連載コラムを受けさせていただくことになった。

イラストレーターは朝日新聞側が用意する、ということだったが、ボクはなにがなんでも三奈さんに書いて欲しかったのである。

なぜって。

なぜって、もちろん「絵がうまい!」のもあるけど、それまでに何百とコンテを作り上げてきている戦友同士の「抜群に息の合う感じ」というのがあるからである。

毎週の連載はキツイ。
でも、三奈さんが仲間なら、ボクがちょっとニュアンスを伝えれば、理解してくれ、見事に膨らませたイラストを書いてくれる・・・しかも彼女のイラストは(昔ボクの案を魅力的にしてくれたのと同じように)必ずやボクのしょーもないコラムをより魅力的に見せてくれる・・・そんな確信と安心感があったのである。

第一、センスがベタベタで、とっても好み、ということもあったし・・・(これも大きい)。

そして。
三奈さんとタッグを組んで、連載は始められることになったのだったった。





・・・・・うぅ、長々回想してしまった。

こんなに長く書いていたら、ここまで読んでくれる人は少ないかもしれない。

やばい。伝えたいことはひとつなのに!



ええとですね。つまりですね。

2月5日(つまり今日!)から、大阪でそんな彼女の個展があります!
ボクとタッグを組んで描いた朝日新聞連載のイラスト原画展です!
お暇な方はぜひ、おいでください!!!



*とっても狭いギャラリーなのでビックリしないように(三奈さん談)ということだが、本当に狭いそうなのでマジでビックリしないように。


中村三奈「さとなおの自腹で満足!」原画展。

期間:2月5日(月)〜10日(土)。入場無料。
場所:大阪市中央区大手通1丁目「MANIFESTO GALLERY」
電話:06-6943-5892(となりの喫茶ギャラリーにかかるらしいが、同じ経営なので大丈夫)



なお、会場で「さとなおの自腹で満足!」本のご予約も承ってますです。
予約特典は、三奈さんとさとなおの共同サイン! しかも送料無料!

つうか、そんなサイン欲しいのか!という説もあるが、とりあえず気は心ということで。



え?

単行本はいったいいつ出るのかって?

うーん、ボクの執筆作業が遅れて、出版社の校正作業も遅れて、遅れに遅れて・・・去年の11月発売予定がとうとう来月発売(3月上旬)まで遅れています。

うー、許してたもれ・・・。





さて、と。

やっとここで表題の「中村三奈、傑作選」になるわけだな(なんという長い前書き!)。

朝日新聞に連載した彼女のイラストから、傑作を無理矢理10点ほど選んでみようと思います。

画像ばっかりなので、一応別ページに。
重いけど、興味のある方は、下をクリックしてください。



「ボクが選んだ中村三奈ベスト10」はこちらから!



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