KISSで筋肉痛  --01.03.25 





その夜、ボクは恋におちた。

恋におちるといつも、ボクは自分が必要以上に甘やかされている気がして、世の中にお返しをしなくてはいけないような気持ちになる。何かをすぐに償わなければバランスがとれないような、そんな切迫感が胸の奥につきまとうようになる。

その夜もそうだった。
たったいま別れてきた幸福な時間を思い出しながら、それを反芻し、久しぶりに訪れたその切迫感とひとり過ごす。

KISSしすぎて唇が痛い。

その唇のどんな細かな動きをも逃さないように、ボクの唇は反応し、容赦なく求め続けた。
無口な男という安全地帯に逃げ込んで社会生活を送っているボクの唇は、突然の運動量に悲鳴をあげる。唇にこれほどの運動量を強要したのはいつ以来のことだろう。遠く想像してみるが、それがとても遠いということしか、いまはわからない。

翌朝。
昨晩の興奮がおさまらないのか、暗いうちに目が覚めた。
ちょっと筋肉痛のような動きづらさを唇と舌に感じながら、アンプに灯を入れる。

そうだ。
もっと恋に正直に生きよう。
マンネリでもワンパターンでもいい。歳をとっていたっていい。
恥ずかしく思わず、はじけることだ。

ボリュームを最大限に上げる。
CDトレイにCDを乗せる。

ボクはもう若い頃みたいな恋はできないのではないかと臆病になっていた。
でも出来た。自分を忘れるくらい、没入できた。
恋は歳ではないのだ。ひたすら自分を開放し、プリミティブな感情に身を浸すのだ。

そう、もっといっぱいKISSをしよう。
もっともっとKISSをしよう。




KISS






KISS








KISS










YOU WANT THE BEST,
YOU GOT THE BEST.
THE HOTTEST BAND IN THE WORLD



..............KISS !!





♪ジャンジャジャンジャジャンジャジャンジャジャンジャジャンジャジャンジャジャンジャジャンジャジャンジャジャンジャジャンジャジャガラジャガラジャン!

ジャジャーーーーーン!
ジャジャーーーーーン!







ギャーーーーーー・・・・






むははは。
いや〜、久しぶりに筋肉痛になるまで踊ったですよ。KISSのフェアウェル・ライブ。解散ツアー。東京ドーム。

ド頭にあの素晴らしいイントロと共に「デトロイト・ロック・シティ」が流れてきた時点で、すでにボクの頬は滂沱の涙。
曲中盤のエースのソロ。うぅぅ。そこにポールがかぶる。うぅぅぅぅ。嗚呼、あの感動をここに書き記す言葉なし。仕事ばかりしていた数ヶ月。久しぶりのプリミティブな衝動。うはー。これよ、これなのよ!

オレは涙もろいジジイかい!とひとり突っ込みしつつ、でもでもなんだかうれしくて、それから2時間半、ただただ自分を開放したです。泣くのをガマンする自分を止めた、という感じ。

おかげで翌日は目は腫れてるわ、すっかり筋肉痛だわ。
ええ、約3ヶ月ぶりにまともにカラダを動かしました。贅肉燃焼。

正直言うと、KISSも歳をとったし、パワーの衰えも感じるのだけど、でも、でもでも、あの吉本新喜劇のようなマンネリ(火吹き、血吐き、ギター鉄砲、空中飛行、ギター壊し、猫せり上がりetc,etc)をぜ〜んぶきっちりやってくれ、しかも2時間半疲れ知らずのサービス三昧。うーむ。

なんちゅうか、アタマデッカチで過ごしたこの数ヶ月を、ボクは心の底から反省したです。
人間、プリミティブな感情にもっと正直にならなイカン!
「もういい大人なんだから」などと自分を規制してはイカンちゅーねん!(ちゅーねんなんだけど)


まわりもやけにスーツ姿のひとり客が多く、「おお、アナタもですか!」みたいな感じが好ましいライブだったのだったった。

まぁでもピーター・クリスがいなかったのが非常に残念。おかげで「ベス」も「ハード・ラック・ウーマン」もしなかった。聞きたかったなぁ。特に「ベス」。

しかし、ジーン・シモンズもポール・スタンレーもエース・フレーリーも元気元気。
アリーナの「ジーン側」前方に陣取ったボクは、すぐ近くで白けて腕組んで聴いている西城秀樹(婚約者はいなかった)に「しらけんじゃねーよ!」とガン飛ばしながら、ずっと腕を上げっぱなしで踊っていたです。ごめんね、後ろのヒト。目の前に183センチの大男が飛び跳ねていたら見えにくかったよね。すまんすまん。

敢えて言えば、東京ドームではなくて、大阪城ホールで見たかったなぁ。
両方でKISSのライブを経験したボクに言わせると、「東京の客、ノリ悪すぎ」
大阪の、あの「元とったるで」的ノリ、そして吉本新喜劇の予想がつくギャグを待ってましたとばかりに楽しめる余裕、がKISSではとってもいい方に働く。うー、大阪でKISSを見たかったよーーー!



あぁ、しかし・・・。

そのKISSもついに解散。

終わりなきものはないとはいえ、ひとつずつ、人生からなにかが消えていくのを実感するボクなのでした。


あ、消えたと言えば「人間ドックに行かない理由」も消えてしまった。
ほとんど寝ない生活を送ったこの2ヶ月。優子から口うるさく人間ドック入れと言われていたんだけど、「とっても大事なプレゼンとKISSの解散ライブのふたつが終わるまでは人間ドックに行けない!」なんて言い張って延ばし延ばしにしていた(だって悪い結果が出て即入院とかなったらライブ行けないし)。
でももうその理由もふたつともオシマイ。あー、行きたくないよー。結果が怖いよー。


まぁいいや。

とりあえず、いまはKISSのCDでカラダを癒そう!!




We Want KISS !



We Want KISS !




We Want KISS !




We Want KISS !




We Want KISS !



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