ジャイアンとにすたん  --01.10.15 





こんにちは。

なんだか久しぶりの日記なのだけど、久しぶりな感じがまるでしないのは「さなメモ」(←トップページからどうぞ)を始めたからかな。

このホームページ始まって以来の、毎日更新コンテンツ!
おかげさまで好評なので、続けようと思いますです。

てなわけで、なんとなく不定期日記を更新しなくても許されるかという甘えもあり。
また、あまりにいろいろ世の中で起こりすぎて、書く気にならなかったというのもあり。


いや、いろいろあったよね。

前の日記を更新したのが9月9日。

その二日後にNY多発テロ事件。

その後、志ん朝は死んじゃうし、イチローは首位打者と盗塁王とるし、高橋尚子は世界記録出して一週間後にやぶられちゃうし、長嶋はやめちゃうし、狂牛病とか炭そ病とかわけわからん病気は世の中を恐怖に陥れているし。

そんでもって、現在は、戦時下である。

みな他人事のように言っているが、日本は戦争への協力を表明しているわけで。しかも国連軍に協力するのではなく、「アメリカの戦争」に協力するわけで。
戦争相手から、いつ狙われても文句が言えない状態。ジバランの文庫化の校正などしている場合であろうか!(←よっぽど作業が辛かったらしい)



しかし。
憎むべきテロへの報復とはいえ、どーも6歳児きょうこに説明できんで困る。

日頃「暴力はいけない」「みんなと仲良く」「いじわるされても許してあげな」「戦争はいけない」とかとかとか、いろいろうるさく言っているのに、な〜〜んの説得力もないじゃないかーーー!


しかも、わりと突っ込んでいろいろ聞かれる。
テロって何?とか、ビンラディンってなにしてる人?とか、ブッシュってなに怒ってるの?とか、誰が悪いの?とか、どうして戦争になるの?とか。


「結局やられたらやりかえせ!なのだよ世の中は」なんて6歳児に言えるかーー!






それでもしつこく聞かれたから、無理矢理ドラえもんの話にして、状況を説明しようと試みたこともある。



・・・にすたん、っていう女の子が関西から転校してきて(まおたんとかきょうこたんとかみたいに、にすたん)、ジャイアンは最初その子に優しくするんだけど、その子が「吉本新喜劇が好き」なことがどうも東京生まれの彼には気にくわない、という導入部(めちゃ変な導入部である)。


ジャイアンも意外と悪気はない。単純だから「吉本新喜劇が好きなんておかしい!」とか心から思ってて、浅草キッドとか爆笑問題とかのビデオとか見せて洗脳しようとする。でもこればかりは生まれながらに染みついたもの。効き目なし。しまいには「東京にいるからには東京のお笑いをしろ!」って東京的ジョークを強制しちゃったりする。で、だんだんいじめになってくる。
吉本が好きってことでにすたんと仲良くなった数少ない友達たちとの間にもちょっかいだして、仲間割れさせちゃうジャイアン。友達とケンカになるわ、いじめは受けるわで、にすたんはとうとうジャイアンを恨むようになる。

そんな折も折、ジャイアンがとっても大切にしている妹のジャイ子が描いたマンガを、誰かがめちゃめちゃにしちゃうという事件が起こる。
それはジャイ子にとってもジャイアンにとってもかけがえのない思い出のマンガ。それをめちゃくちゃにするという最低のやり方。人間として卑怯すぎる。もうあのマンガは二度と戻ってこない。
ジャイ子は身をよじって泣く。すごく悲しむ。妹思いのジャイアンは異常に怒る、という中盤(6歳児引き込まれる)。


にすたんがやったという証拠はまだないんだけど、ジャイアンはにすたんがやったと決めつけて「にすたんは卑怯だ! お前らオレにつくか、にすたんにつくか!」と友達の間を凄んで回る。
スネ夫は真っ先にジャイアンへの協力を表明。一緒にやっつけようと申し出る。
のび太もすぐ協力を表明するんだけど、前回の違うケンカの時に、ドラえもんの「大きな財布」っていう道具を使ってジャイアンに協力し「のび太さんズルイわー」って静香ちゃんに言われちゃったからもうドラえもんに頼るわけにもいかず、かといって前線にたつ勇気もなく、後方から「がんばれー!」って言うだけ。もともとにすたんのことが特に嫌いなわけでもなく、ちょっと困っている。

で、止めに入るかと思われた静香ちゃんは、前からジャイアンの乱暴で無理矢理なところが好きじゃなかったんだけど、なぜか今回はジャイ子にすごく同情していて「絶対許せないわ!」って過激になってる。にすたんのことが心の底では嫌いだったのかもしれないね、ってな終盤(た、大作や)。


ジャイアンがアメリカで、にすたんはアフガニスタン(もしくはタリバン)で、ジャイ子はニューヨークで、スネ夫がイギリスで、静香ちゃんがヨーロッパで、のび太は・・・

のび太が日本だと言ったら、響子はマジで情けながっておった。うはは。


で、現在のケンカに至る。

にすたんは逃げ回る。ジャイアンは追いつめる。
追いつめられたら、にすたんはしょせん女の子だからジャイアンにはかなわない。
ただかなり根性ある女の子だから、やられてばっかりでは終わらない。やられたあともずっとジャイアンをつけまわすかもしれない。そうなるとジャイアンもずっと油断できなくなるから、ケンカはずっと続くことになる・・・



構想1時間の大作である。うはは。
嫁に「ちょっとアフガン寄りね」と突っ込まれたが、気持ち的にはニュートラル。事実関係に多少の間違いはあるかもだが、まぁ小学一年生への説明なので、許せ。
どっちも悪い、なんてまとめ方をする気もさらさらないが、どっちも溜まったものはあるみたいだなー。
ただ、にすたんには、いわゆる「精神鑑定が必要」な場合もあるから、その場合は話の筋自体が変わってくるのだが。




で・・・1時間以上かけて、絵まで書いて説明したのだが、





「それで、どうしたら仲直りできるの?」という6歳児の素直な質問に答えられず、あえなく撃沈!(がっくし)






だってだってだって!

「ジャイアンがにすたんをコテンパンにへこまして無理矢理謝らせて仲直り」という一番ありえそうな結末も、6歳児にはあまり積極的に教えたくない解決策だし(結局腕力が勝つ、というのもねー)。
かといって「ジャイアンが先に謝る」のも現実的ではないし(ありえないことを言ってもねー)、「静香ちゃんが止めに入る」のもいまさら中途半端な感じだし(静香ちゃんにもいろいろ思惑があるしねー)、ドラえもんは押入で寝ているし(なんでもドラえもんに頼るというのもねー)。
しかも出木杉みたいな都合のいいキャラは今回登場しないしさ。うーむ・・・


きょうこ的な解決策を聞くと、さんざん考えたあげく


  のび太のお母さんが止めに入る!


だ、そうである。

(・・・お、のび太のお母さんって、中国? そうか、そういう手もなくはないかも。アメリカに恩を売れるし)







ただ、ひとつだけ、キレイっぽい解決策がないことはない(このお話上では、であるが)。


それは「ジャイ子が止めに入る」という解決策。


ジャイ子がすべてを許しジャイアンを止める。それに感動してにすたんも反省し、謝りにくる。ジャイアンもにすたんにいままでのことを詫びる・・・

うぅ、映画みたいなキレイな結末ではないか!

ま、キレイ事すぎて、ありえないんだろうが・・・。





ただ、ほんのちょっとだけ期待はしたい。


ボクは阪神大震災をこの身を持って体験した。
そして初めてわかったことがある。

被災者の想い、である。

北海道南西沖地震(みなさん奥尻島を覚えてますか?)や雲仙普賢岳噴火に苦しんだ現地の人々の思いを、阪神大震災を体験してやっと理解したのだ。わかったふりをしてニュース映像とか見ていたが、結局何もわかっていなかったのだ。

すまん!ごめん!こういうことだったのね、と心の中で謝ったが、もう遅い。

あの人たちの辛さや苦しみや不安や悲しみが、阪神大震災後やっとわかった。
想像力はある方だと思っていたが、これほどいろいろ辛いとは思わなかった。


で。
ニューヨーク市民も、わかったはずだ。

ボクが、阪神大震災を経験して、初めて奥尻島や普賢岳を理解したように。
ニューヨーク市民は、ずっと爆撃にさらされてきた他の国の人たちの苦しみ・悲しみを、今回、理解したはずだ。

パレスチナでは同じような被害が、同じような悲惨な悲しみが、毎日のように起こっていた、ということが、怒りで目を曇らせていない一部のニューヨーク市民には「わかったはず」なのだ。

アメリカ人の短絡的な思考を危惧するのと同じくらいなレベルで、ボクはアメリカ人の奥深い知性を尊敬している。

だから、わかっているニューヨーク市民は意外と多いのではないかと思っている。

そして彼らがなんらかの行動を取ることを、ほんのちょっとだけ期待したいのだ。





あ、はい。

のび太のくせに都合のいい期待するな! という声はちゃんと聞こえていますです、はい。




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